観葉植物は徹底的に「湿度」対策を!それが輝くグリーンの近道

葉はだんだん大きくなって、色も緑が輝いて美しい。
観葉植物は毎日違う顔を見せてくれるので愛おしくなってきます。
それなのに買ってもすぐに枯れてしまう。
いくつか枯らしてしまったという人。
観葉植物が好きで「水やり・日の当て方・風通し」の大切さも心得ているのに、
すぐに枯れてしまうのはなぜ?
その原因を探ってみると、「湿度」の認識不足が明らかになってきました。
今回は、「葉の蒸散と関係が深い湿度」をテーマに、コトハの谷奥代表に伺いました。

 

葉の蒸散

 

観葉植物は湿度の影響を非常に受けやすい」とコトハの谷奥代表
特に、葉の「蒸散」という水分を放出する働きに関係していると言います。

葉の裏には気孔と呼ばれる開閉する部分があり、開いた時に水分を蒸散します。
光合成をすると、葉の水分の蒸散量が増えます。
これは、植物は根から水分と栄養分を吸い上げて成長することで、蒸散量が増加します。

ちなみに蒸散量は気象条件と気孔の開き具合によるもので、ただ放出しっぱなしでは
ありません。
ではなぜ乾燥して枯れてしまうの?という疑問。
そこで観葉植物を部屋に置くことで懸念される、乾燥に着目。
湿度が高い、それとも低い、どちらの方が気孔を開いて多く蒸散するのかに注目しました。

 

葉のまわりの空気に注目

 

基本的なことですが、湿度が低いとは、空気が乾燥している状態ですよね。
葉の蒸散とは、葉から水蒸気を蒸発させている状態で、葉の周りの空気の湿度が低い(空気が乾燥している)と活発になります。
もし葉の周りの湿度が高ければ、葉の湿度との差が少なくなって、蒸散が起きにくくなります。
葉そのものの湿度と、その周りの空気のことの双方を同時に捉えると、蒸散の働きが理解しやすいと思います。

 

飽差という考え方

 

普段、「空気乾燥してるよね」とか「湿度が高くてジメジメする」という感覚は、
私たち「空気中の水分量」が基準になっています。
また気温が高いほど空気に含まれる水分量、つまり水蒸気を多く含むことができます。
目に見えない空気ですが、観葉植物も私たちの生活の中でも、生きていくうえで水分量が実はとても大事な役割をしていることを、あらためて痛感するでしょう。

 

ではここで以下の2つで、イメージを膨らましてください。

●気温11℃で湿度60%
●気温30℃で湿度60%

 

 

飽差」で考えるとわかりやすので、説明しますね。
飽差とは、1㎥の空気中にあと何g空気を含むことができるかを示す数値です。

気温11℃で湿度60%。この飽差は4.0g/㎡。
気温30℃で湿度60%。この飽差は12.1 g/㎡。

データを引用させて頂いて飽差と蒸散度合いを見ると、

●0.4~2.9 g/㎡:蒸散しにくい
●3.0~6.9 g/㎡:適切
●7.1 g/㎡以上:過度の蒸散

 

ということは前者の蒸散量はいい感じ。
後者は蒸散しすぎ。
植物は、飽差が大きいほど蒸散するという特徴を、覚えておいてください。

 

一つの情報として認識を

 

コトハの谷奥代表から、専門的なことについての注意点につきまして。
「蒸散しにくい数値の場合は温度を上げたり、過度の蒸散であれば下げるなどの温度調節や換気で環境を整える。
蒸散の飽差は一つの目安になりますが専門的な分野です。
こちらで挙げたのは、蒸散を適切に知るためには、湿度と温度だけでは判断できないということを皆さんにお伝えしたくご紹介いたしました。

注意点としては、湿度が低い方が蒸散するには良いのですが、 湿度が低いと害虫が発生する確率が高くなります 。
そこでので私の経験での植物に良い環境はこちら。

温度:20℃〜28℃
湿度:50〜60% 

湿度は女性のお肌にも良い環境だと思います。」

 

 

葉と鉢の中の湿度に違いあり

 

引き続き、コトハの谷奥代表が解説。
「これまで葉の蒸散について、少しマニアックな視点からの説明でしたね。
何はともあれ、季節による乾燥しやすい時期は要注意!
常にうるおいが大事です!
そして、湿度は、葉と鉢の中は別ということも、覚えておいてください。
室内でも日中の日差しを浴びたり、空気やエアコンの風を直接受けるのは、葉と茎ですよね。
乾燥度合いを掴みやすい部位です。

 

 

ここでの湿度の注意点は、葉の適切な湿度とは、根から吸い上げる水分量が葉から蒸散する水分量のこと。
葉は健康な状態を維持できているが、それ以上に湿度の低い空気(風)が葉の周りにあれば、蒸散ではなく葉が乾燥して葉がパリパリになってしまいます。
理想は、湿度40〜60%。
女性のお肌と同じです。
美容と重ねて植物を捉えてみるのも、新鮮だと思いませんか?

 

土の湿度は常に配慮

 

鉢の中は、水分保水が必要なため湿度は高いですが、ここで大切なのは通気(及び換気) です。
通気が悪いとカビが湧きます。
カビやバクテリアは病気の元です。
必ず風通しを良くしましょう!

何はともあれ問題は鉢の中
水やりをしたばかりだったら当然ながら水気は十分ですが、実は土の表面が乾燥しているけど、中は湿っている。
土が硬くなっている。
このように土の状態はとても重要です。

 

 

なぜなら植物は、適切な水やりによって水と土の中の栄養分を、根から吸い上げています。
状態が悪ければ根腐れを起こして、葉にまで水分も栄養も届かなくなり、結果枯れてしまうのです。
湿度が高ければバクテリア発生の問題も出てきます。
固くなった土や鉢は変える。
まずは植え替え時期に合わせてやってみてください。
それが観葉植物を枯らさない、すこやかさの秘訣になりますよ。

 

まとめ

観葉植物は葉とその周りの空気のことなど、私たちが見落としがちな生活環境に目を向けさせてくれる存在になります。
葉の快適な蒸散をはじめ、乾燥しない環境づくりを常に心がけるようにしましょう。
お肌と一緒です!乾燥は葉にも天敵です。

COTOHA